社会保険加入Q&A

社会保険の加入は、絶対にしなければならないの!?

次に該当すれば強制適用として絶対に加入しなければなりません。

  1. 法人(株式会社・有限会社等)事業所
  2. 5人以上の労働者を雇い入れる個人事業所
    ※ただし、下記の業種の場合従業員が何人いても社会保険に加入する義務はありません。
    ・第一次産業(農林水産業)・サービス業(理容・美容業、旅館、飲食店、料理店、クリーニング店等)・法務業( 社会保険労務士、弁護士、税理士等)・宗教関係(神社、寺院等)
社会保険料はいくらくらいかかるの?

給与(報酬月額)によって保険料は変わります。
計算方法は次の通りですが、各都道府県で保険料率が若干違います。例えば、大阪府の場合はこちらでご確認ください。
それほど大きな差はありませんので下記を目安にしてください。

大阪府の場合

給料と交通費を合わせて月25万の従業員では月38,950円(40歳以上)の保険料となり、毎月の給与から控除します。
また会社負担額も同額となります。(児童手当拠出金を除く)

従業員負担額は?

(2017年7月現在)

健康保険料 13,169円
厚生年金保険料 23,636円
介護保険料 2,145円 ※40歳以上の場合
合計 38,950円
会社負担額は?

上記と同額を負担します。

詳しくは各都道府県の保険料額表をご覧ください。

建設業なのですがこの頃、現場では社会保険に加入しなければ、『仕事が受けられない!』なんてことをよく言われたり、聞いたりするんだけれど・・やはり加入する必要がありますか?

結論から言うと一番最初の質問の答えに該当する事業所は加入する必要があります。

特に建設業については、平成24年11月より国交省からの指針で元請会社に社会保険料の単価を含んだ請負額を下請会社に発注しなければならないと定め、その代わり下請会社は社会保険に加入しなければならないと定めました。

もし、下請会社が社会保険に加入していなければ元請けは仕事の発注は控えなければならないとし、また建設業許可申請や更新、経営審査などにも加入していなければ加入指導が厳しくなりました。

建設業として仕事をしっかり行うためには、強制加入事業所でなくても積極的に加入していかなくてはならなくなっていくと考えます。

社会保険に加入するメリットは?

はい、メリットはたくさんございます。詳しくは下記をご覧下さい。

最大メリット

  1. 建設業では今後仕事を請け負うことが出来る
  2. 民間保険とは比べものにならない、いわば国の傷害・積立生命保険です
  3. 建設業経営審査で点数アップ⇒30点

その他メリット

  1. 社長、従業員とも所得税が安くなる
    例として
    源泉所得の計算方法は、給与総額が25万円とした場合、25万円にかかるのではなく 250,000-38,950(社会保険料)=211,050円-交通費に対して課税されることになり、所得税は安くなります。
  2. ハローワークで求人が出来るようになる
    社会保険に加入していないと求人受付を拒否されます
  3. 従業員の定着率アップ
  4. 優秀な人材獲得に繋がる
  5. 利益(黒字)が出た場合、会社負担分は法定福利費として全額控除で法人税が安くなる

健康保険から見たメリット

  1. 仕事以外の病気やケガで3日以上仕事が出来ない時、給与の支払いがない場合は、4日目から所得の保障があります。
    (傷病手当金制度は月額では給与の約66%が支給されます)
    例として
    給与25万を受けている従業員が病気で1か月休んだ場合は最初の3日間は支給されませんが、所得の保障として約17万の傷病手当金が支給され、最長1年6か月受給することが出来ます。
    これは、通常国保にない大きな制度の違いです。
    詳しくはこちら
  2. 国保よりも保険料は安くなる可能性がある。

厚生年金保険から見たメリット

  1. 厚生年金とは、老齢年金だけではなく、障害年金、遺族年金の三つを合わせたものを言います。
    歳をとった後に年金を受け取るだけではなく、身体障害者となった場合、死亡した場合は配偶者が死ぬまで(夫の死亡時30歳未満の妻で、子がいなければ5年間)、年金として受け取れる制度です。
    「生涯を安心して暮らすための必須の国の生命保険」 ということになります。
  2. 配偶者が年収130万円未満の収入であるなら配偶者は国民年金の第3号被保険者となり国民年金に自動的に加入することになりますが、国民年金の保険料は払う必要がなくなります。
  3. 厚生年金はまるまる自分の将来への積み立てにもなり、さらに民間保険では、 あり得ない生涯を保障してくれる障害保険と遺族保険に加入していることになります。
    ※一人親方で法人の場合は、 (法人であれば実際は強制加入ですが)社会保険に加入した方がほとんどの場合がお得です。

    一度ご自身でお近くの年金事務所・健保協会・市区町村でお聞きになるのも、よいかと思います。
社会保険に加入していなかった場合のデメリットやリスクは?

事業主様として重大なデメリットがございます。重要ですので、必ずご確認下さい!

デメリット

事業主様は保険料の2分の1を負担することになります。

しかし決算で黒字がでた場合、会社負担保険料全額が控除されるのでその分税金が安くなるため、デメリットとは言い切れません。

起こりえるリスク!

社長さん気をつけて下さい!!

  1. 強制適用事業所であるはずの事業所(法人、従業員5人以上の個人事業所)が社会保険に加入していない場合、もし従業員が年金事務所などに健康・厚生年金保険がかかっていないと訴えたら、、、

    →2年さかのぼって強制加入させられ、保険料も2年分まるまる支払らわなければならないという事態になり得ます。

    さかのぼって徴収される金額

    (例)
    30万円の給与を受けている従業員が3人
    社長の報酬が50万円の場合
    2年さかのぼって徴収された場合、10,080,000円(約1千万円)のさかのぼり徴収があります!

  2. 強制適用事業所が社会保険に加入していない場合、もし定年後元従業員が社会保険に加入していたら支給されたはずの老齢厚生年金の額を請求してきたら、、、

    →「平成18年豊國工業事件」として奈良地裁は会社に支払いを命じています!

  3. 強制適用事業所が社会保険に加入していない場合、もし従業員が仕事以外で身体障害者となったり、死亡した場合、本人または遺族から加入していれば国から支給されたであろう金額を請求してきたら、、、

    →強制加入であるにもかかわらず加入していなかったということが債務不履行にあたるなど場合によっては、支払わなければならない可能性が出てきます。

  4. 加入しても未納期間(未加入期間)が長い場合は,受給要件が満たされず老齢・障害・遺族年金は支給されないことがあります。強制適用事業所は一刻も早く加入することが大切です。
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